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 片山伯耆流は戦国時代の武将、片山伯耆守久安を始祖とする武術である。  居合、剣術、体術等の総合武術で片山流とも称するが、現在まで伝わるのは居合のみ。  最近になって、書伝を基に失伝した腰廻等を起こしたのが「片山伯耆流柔術」。山口県岩国市のとある道場で数人の門下生が稽古をしている。
2025/04月

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 少々ごぶさたでしたが、6月29日(日)大阪で円心流主催の演武会があり、静空館も片山伯耆流で参加してきました。

 とは言っても、いつものごとく不動智心流あり、天神明進流ありとなったわけですが、さすがは大阪での開催だからか、円心流の威光なのか、全国各地、東は関東茨木、栃木から、西は九州長崎からの参加があり、居合もあれば柔術もあれば甲冑着たおいさんもいれば着物着た薙刀のおねーさんもいればで実に多彩な顔ぶれでした。

 しかし、技のキレはなかなかなもので見ていても飽きないものです。昼には槍術の体験稽古があったのですが、それを見ようと思っていたら昼ごはんを食べてたすきに終わってしまっていたのが残念でした。

 いつもは広島で見知った顔ぶれでやっているのですが、たまにはこういったところに来てみるのも刺激になっていいですね。
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 現在、静空館道場では片山伯耆流、天神明進流、不動智心流を中心にやっているわけですが、じつはこの3流派は基をたどるとこの山口県にたどり着くのだそうです。

 片山伯耆流については開祖である片山久安が大阪の陣の後、吉川家に身を寄せていたことで、岩国を中心に広まったということです。現在は居合については熊本と大阪に伝えられているんでしたかね。

 そして、不動智心流ですが、どうやら大内氏の庇護の下に発展したものだとか。大内氏と言えば山口を中心に中世の大半にかけて大きな勢力を持っていた一族です。その下で栄えた流派ということですし、岩国も大内氏の勢力下にありましたから、これを岩国でやることは歴史的にもちょっとした意味があったりするのですかね。ただ、この流派が岩国に伝わっていたかどうかは分かりません。

 そして、天神明進流なのですが、この流派の開祖は片山久勝だと言われています。片山久勝は名前からして片山久安の関係者である気配が漂ってくるわけですが、久勝は久安の長男だそうです。

 ここがちょっと面白いところではあるのですが、本来なら長男の久勝が片山伯耆流を継いでいそうなもんですが、なぜか次男の久隆が承継しています。で、当の久勝はどうやら江戸に出て片山心働流を開きこれが東北地方に伝わり天神明進流になったというのです。

 この天神明進流ですが、実際にやってみるとかなり厳しいです。私のような体の硬い人間には拷問のような技が次々と出てきます。もっとも、古流の特徴というか基本は「相手の動きを封じる」ことですから、当然ではあしますけどね。

 もうひとつ、この流派は現在まで途絶えることなく伝わっていますので、ずいぶんと技の型が変わっている可能性があります。もっともそれを含めて現在に伝わっているものがこの流派だということになるのですが。

 しかし、江戸に出た久勝も岩国に残った久隆も今、それぞれの流派が同じところに集まっていくとは思ってもなかったのではないでしょうか。
 前回の稽古から新しく参加者が増えました。ボクシングや柔道、現代柔術などを経験されてるそうで、きちんとやればうまくなりそうです。

 と、そのときに聞かれたのですが、「古流武術は演武しかやらないけど、試合をしたら強いのか?」ということです。

 そのときに私は「試合はとてもじゃないけど怖くてできないよ」と答えたのですが、そもそも古流武術はスポーツではありませんから、ルールというものがありません。まあ、あるとすればその当時の規範というか道徳というか、武術のというよりは武士の心得のようなものではないでしょうか。

 そして、ルールがないので「こうなったら勝ち」というものがありません。例えば、柔道では「相手を背中がつくように勢いよく倒したら1本」で、「1本」を取った時点で「勝ち」なのです。が、古流武術ではそのようなものがありません。強いて言うなら「相手が動けなくなった」ら「勝ち」になるのでしょうか。

 このようなルールになってしまうと、古流武術の試合では怪我人だらけになってしまいますね。

 さらに、古流武術では「逃げる」もありなので、試合会場がら逃げてしまってもいいのか?ってことになります。まあ、実際に「逃げる」というのも流派によってはありますから、「逃げるのはダメ」とは言えませんね。

 ということで、実際には古流武術が強いかどうかは分からないのですが、江戸時代を通して伝承されてきた流派はやはり強いのではないでしょうか?もし、弱いのであればここまで伝わっているとは考えにくいですね。

 現代では「強い」というよりも「危険」であることは間違いなさそうですから、「強くなりたい」という動機で古流武術をやるのは少々的外れなのかもしれません。
 今週は、参加する人が少なかった(というよりもいなかった?)ため稽古は休みとなりました。一説には師匠に支障がでたためとも言われてますが...

 ここ最近、日本でもずいぶん簡単に人が殺されてしまうようになりましたが、そこで、「護身術」というものをふと考えてみたときに、「柔術が護身術になりうるのか?」という疑問が出てきました。

 今は、片山伯耆流を中心にいくつかの流派をやっておりますが、確かに、技が掛かればかなりの破壊力があるのではないかと思います。しかし、そこにいたるまでがじつはとんでもなく難しいのではないでしょうか。

 稽古のときには受け手も技をかけられるつもりでやってますから掛ける方も技を出しやすいのです。が、実戦となるとそうもいきません。柔道や空手、剣道の試合経験のある方ならお分かりだと思いますが、簡単に技が掛けられるものではないのです。

 もし、そんなに簡単に技が掛かるなら柔道なんかでは一本の嵐ですね。

 このように、試合という、相手が何をするかある程度分かっているものですらこの状態ですから、普通に道を歩いていていきなり襲いかかられたらどうでしょうか?

 技を掛けるとかいう問題ではないですよね。ただ、こういった武術をやっていると、「とっさに技を掛けてしまった」ときのことも考えておかないといけないでしょう。まかり間違って技が掛かってしまったら大変なことに。

 古流武術の怖さはここにあります。変に過信して中途半端な技を繰り出して返り討ちにあったり(こちらの方が多いでしょうか)、また、思いがけず技が決まって相手が大怪我したり...

 実際、古流武術の技はきっちり決まればかなりのダメージを与えますからね。当たり前と言えば当たり前のことなのですが。

 そうなると、古流武術はあまり護身術には向かないのではないかと思うのでした。
 連休に入っての水曜美ということで、稽古をするかどうか少し迷ったのですが、一応、やりました。

 久し振りに天神明進流です。

 ここのところ、不動智心流や、浅山一伝流などをやっていたので、ここは一つ片山伯耆流でもと思ったのですが、それ以上にここ最近天神明進流をやっていなかったので、ちょっと確認しておきたいことがあったわけです。

 古流武術の伝承というか保存の難しさは以前にも書いたかと思いますが、これが非常に難しいわけです。例えば、相手を倒すための動作をとっても、その人の個性が出てしまうため、同じ形で伝授されるとは限らないからです。

 ある人は、とにかく早く投げてしまおうとしるでしょう。別の人はゆっくりと投げるかもしれません。つまり、二人の人がこのように覚えてしまうと、どちらがオリジナルなのか分からなくなってしまいます。もちろん、どちらもオリジナルでない可能性もあるのです。

 そこで、次の人がその二人の動きを見ながら元の形を導こうとするかもしれません。でもそれがオリジナルになるとは限らないのです。

 これはある意味自然なことで、例えば、柔道をみれば分かるように背負い投げという技を見ても使う人により使うときの状況により様々な形があります。ときには「え?それが背負いなの?」って思うようなものもあります。

 つまり、基本形はおそらくほぼ同じものを持っているけれども、状況により形を変えて使っているのです。

 このように、武術の型は常に形を変える運命にあると言えます。これは古流武術も同じことです。それだけに、基本の型が大事です。いかに型をコピーできるか。

 古流武術の伝承はそこから始まるといってよいでしょう。
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