片山伯耆流は戦国時代の武将、片山伯耆守久安を始祖とする武術である。
居合、剣術、体術等の総合武術で片山流とも称するが、現在まで伝わるのは居合のみ。
最近になって、書伝を基に失伝した腰廻等を起こしたのが「片山伯耆流柔術」。山口県岩国市のとある道場で数人の門下生が稽古をしている。
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失伝した片山伯耆流柔術が再興したのは片山家に伝わる書によるものであった。通常、こういった武術では口伝によるものが多く、文書で残るというのはそう多くはない。
そうはそうは言っても、口伝だけではどうしても形が変わってしまったり、失われてしまったりするもので、技を習得したならばそれを形にして残そうとするのはいつの時代も同じもののようだ。
つまり、手控えなるものが残されているのだ。もっとも、これがただ単に片山流を学んだ者の手控えであれば一流を再興するには心許ないわけだが、その手控えがいわゆる宗家のものであれば話は別だ。なにしろ、その流派を承継した者が書いているわけだから、間違いはない。
いや、仮に間違っていたとしても宗家が「こうだ!」と言えばそれが正しいのだ。ましてや、実際にはすでに消え去っているものなので、残されたものはその文書のみ。つまり、そこに片山伯耆流柔術があると言っても過言ではあるまい。
しかも、この片山伯耆流柔術の素晴らしいところは技が図解されているということだ。私も実際に見てみたが、実に愉快な絵で分かり易く描かれている。
もちろん、文書でも書かれているので、その二つを組み合わせると、かなりの精度で技を再現することができるように思える。
それを実際に行った人がいる。その人がこの手控えをなんと1冊の本にしてしまった。それを基に片山伯耆流柔術を再興したのだ。片山宗家から柔術について片山伯耆流を名乗ることを許されているので、当人は片山伯耆流柔術第12代宗家を名乗っている。
と、失伝したはずの柔術が現存するのはそういった訳である。
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